古代人はどうやって鉄を作り出したのだろう?

鉄を作り出すのに必要なもの
木炭 砂鉄を溶かす燃料  1t の鉄を作るのに3t 必要でした。
砂鉄 黒い砂鉄から、熱して黒い色を取り除くと鉄になる。
砂鉄とは鉄であって鉄でない物質。酸化鉄なるもの。これを熱して酸素を取り除くことにより鉄に化学変化する。
山田湾の各所の砂浜には沢山の砂鉄が今なお見られる。山田湾が埋め立てられる前の昔は、湾は砂浜で囲まれた町であったことでしょう。
鉄を作り出すのに必要な砂鉄は容易に手に入ったと考えられます。沢や山を崩しても採取したと思われます。1t の鉄を作るのに 3.5t 必要としました。
山の斜面 強い火を必要とするために風が吹き込みやすい斜面を利用した。また風を人工的に起こすふいごが利用された。
ふいご 空気を炉内に送り込むための道具。空気ポンプみたいなもの。

製鉄方法
砂鉄を集める。山であったり、川であったり、海であったり。
川の水が濁っても影響の少ない冬の間に、川の水で砂鉄と砂を比重の差によって分ける。
熱が逃げないように木炭などで炉床(ろしょう)をつくる。(地面に炭を敷く)
燃やす木炭と砂鉄を入れる炉を粘土で作成する。(たたら炉という)
ふいごにより燃焼部分に空気を送り込むための風道を筒でつくる。(羽口)
たたら炉に木炭と砂鉄を交互に入れ、空気穴より空気を送り炉内の温度を砂鉄が溶ける温度に保つ。当時は自然の上昇気流を利用できる傾斜のある土地に作られました。また、ふいごによって人工的に風を炉内に送り出していました。時々溶けた鉄の不純物を掻き出して側溝から斜面に落とし出したと思われます。
4昼夜のあと、風を止めて炉を壊します。
炉の底に溶けて固まった鉄のかたまりが現れます。(けら)といいます。
炉を壊さないと鉄を取り出せないので、1回ごとに作り直さなければいけません。
(けら)を水の中へ入れ、冷まします。 鉄のかたまりの写真
取り出した鉄の塊をもう一度炉に入れて熱することにより、より優れた鉄(はがね)を作り出したと考えられます。


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